7月
30
2012
今日、この日本には腰痛を訴える方はおおくみえます。
しかし、腰痛といっても、色々な病気があることをご存知でしょうか?整形外科的な椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・坐骨神経痛。内科の分野では腹部大動脈りゅうや胃腸疾患など・・・。
今回はそんな中でも腰椎椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症について、ひとくちメモです。
〇前かがみでの痛み
腰痛に悩まされている片によくよくお話を聞くと、前かがみの時に痛いとおっしゃる方が見えます。日常生活で前かがみになるのはくつ下をはく際です。靴下がはけないとおっしゃるのです。実はこのような時は腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。
〇後ろにそらした時の痛み
また上体を後ろにそらした時に痛みが増えるとおっしゃる方もみえます。この場合は脊柱管狭窄症が疑われます。
さらに言うと、脊柱管狭窄症は長時間立ったり歩いたりがしづらい、とおっしゃる方を多く見かけます。この症状は脊柱管狭窄症に特徴的で、診察をするうえで重要な情報になります。
今日は腰痛の中でも椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の症状の違いにスポットを当ててお話をしました。
7月
29
2012
みなさんは腰痛と聞いてどんな病名を思い浮かべますか?おそらくは椎間板ヘルニアを上げる方が多いことでしょう。この椎間板ヘルニアは主に若い方にとっての腰痛です。
そこで中高年以降の方には脊柱管狭窄症という病名を知っていただきたいと思います。
今日は脊柱管狭窄症のお話です。
〇加齢が原因で起こってくる
この脊柱管狭窄症は何が原因なのでしょうか?
それは加齢です。要は勤続疲労的なことが要因となって、起こってきます。
また、もともと脊柱管が細い方が見えます。このような方は30~40代で発症することが多く、重症化するケースがみられます。
〇脊柱管とは・・・?脊柱管狭窄症とは・・・?
では、そもそも脊柱管とはどんな管なのでしょうか?
脊柱管とは脊髄が通っている管(トンネル)のことです。このトンネルは普通のトンネルと違って色々なものでトンネル内部の壁が構成されています。骨(脊椎)であったり、靭帯(黄色靭帯)であったり椎間板だったりです。
これらが変形すると、トンネルが細くなったり曲がってしまったりしますよね。つまり脊柱管が細く(狭窄)なってしまうわけです。
するとどうでしょう?中を走っている脊髄は圧迫されないでしょうか?それこそが脊柱管狭窄症です。
〇そんな症状がありますか?
症状は下肢に表れやすいです。下肢の痛みが主症状です。
腰に原因があるので腰痛が起こりやすいと思われがちですが、むしろ下肢に多く表れます。
〇間欠性跛行とは・・・?
もうひとつ脊柱管狭窄症には間欠性跛行という症状があります。
これは歩き続けたり立ちっぱなしの状態にあると、足腰の痛みがだんだんひどくなってきて、歩くことやたっていることができなくなります。
しかし、しばらくしゃがんでいたり前かがみにしていると、痛みやしびれが治まってきて再び歩いたり立っていたりすることができます。
この症状こそが、間欠性跛行です。
きょうは脊柱管狭窄症の原因や症状を中心にお話をしてきました。
7月
14
2012
今日は頸椎症のお話です。首に問題があって痛みを感じる方がいらっしゃいます。その部位は首はもちろんのこと肩や指先、はては脚に痛みを感じる方も見えます。首に原因があっても指や脚に症状が出るのです。
今日はその頸椎症のお話です。
○中高年の方が多いです
症状を訴える方は中高年の方が多いように思われます。これは20代から始まった老化のおかげで、少しずつ骨や軟骨が弱ってくるためです。
○原因は…?
原因ははっきりしていません。しかし女性の方が症状はキツく出るようです。
○症状にはどんなものがありますか?
まずは何と言っても首の痛みです。しかも首の後ろの方に多く出るようです。また肩にも痛みを感じられることがあるようです。
痛みではなく‘張った感じ’‘しびれた感じ’と表現される方もいらっしゃいます。
○指や脚に症状が出ることもあります。
指に症状がくる方は脊髄から分かれた神経に影響が及んでいる場合で、脚に症状がくる方は脊髄そのものに影響が及んでいる方です。
手足が痛いという方はご高齢に多いと思われますが、決してその場所が悪いとは限らないのでご注意ください。
○診断方法は…?
診断方法はレントゲン・CT・MRIといった画像診断に頼っています。なかなか血液検査では分からないのです。
○治療法は…?
基本的には内服・貼り薬・塗り薬で様子を見ます。手術を連想される方も多いと思われますが、マヒといった重症にならない限り行いません。ただし、マヒが完成してしまってからでは遅いので、厳密に言うとマヒが見え始めた段階で手術に踏み切ります。
○心的な原因があることがあります
メンタル的な原因があり、痛みを訴えられる方も見えます。こういう場合は治療法が変わりますので、注意が必要です。
○日常生活で出来ることは…?
適度な運動と入浴が良いと言われています。リハビリとして行うのです。またタバコは軟骨の血行を悪くするので、よくありません。
正しい対応で痛みを和らげていきましょう
7月
14
2012
長い間つらい痛みに悩まされている方も多いと思います。今回は慢性の痛みの基本的なアプローチについてのお話です。
○いわゆる“痛み止め”では治りません
病院で頂く痛み止めが効かない痛みがるのをご存知でしょうか?これは急性の、燃え上がるような痛みの場合は効果がありますが、慢性に痛む場合は効果がありません。慢性痛の場合“なぜ痛いのか?”を考えて、それに対する薬を使わないといけないからです。よって使う薬は痛み止めと限りません。具体的には抗けいれん薬・抗うつ薬を使うことがあるのです。
○慢性痛の治療の“落とし所”は?
慢性痛の治療は長期に続くことが多いと言われています。
それゆえ治療中はなかなか効果が出づらく、何をよりどころにしていいかわからなくなる方も多くみえます。そのような方は、治療中はぜひとも『生活の質が治療でどのように変わったか?』に注目していただきたいと思います。
少しずつ良くなってくるので、毎日あまり変化を感じません。そのことで治療の満足を感じていただきにくくなるのですが、何が出来るようになったかを考えていただくと進歩の具合が分かりやすくなると思います。
慢性の痛みはじっくりと取り組んでいただくという気持ちが大切なようです。
7月
14
2012
腰痛をはじめとして、痛みの治療には色々な方法があります。病名や症状に合わせていろいろ治療法が決まってはいます。これは学会などでデーターを集積し“一番合理的な治療はなにか?”を検討し、出てきた結論です。ゆえに正解率・成功率はとても高くなります。患者さまは無駄にいろいろ治療法を試さなくて済むことになります。
しかし、です。患者さまの中にはこのようなデーターが通用しない方もいらっしゃいます。データーからみれば“例外”ということになるかと思いますが、患者さまにとっては治療しても一向に良くならないということになり、大変な不利益になるのです。しかも、自分がデーターの例外かどうかは治療前には誰にもわかりません。医師にもわかりません。
患者さまにはご自分に合った治療法を見つけて、こつこつと続けてゆく気持ちで治療を受けていただきたいのです。
また、加齢による身体の変化がもたらす痛みについては、その変化を完全に元に戻すことはきわめて困難です。痛み治療を受けられる方は強い痛みは出来るだけ軽くし、ある程度コントロール可能な痛みになってきたら、あとは痛みと上手に付き合ってゆく方法を学んで頂きたいと思います。
病気は「自分で治す」ということも忘れないでください。身体には誰しも自然治癒力というものが備わっています。この自然治癒力を最大限に発揮するには生活習慣を見直す必要があります。
痛みとは戦うのではなく『合い和する』気持ちが必要です。
7月
14
2012
侵害受容性疼痛
内臓痛…局在があいまいで鈍い(ズーンとした)痛み
オピオイドが効きやすい
体制痛…局在がはっきりした明確な(ズキッとした)痛み
突出痛に対するレスキューの使用が重要になる
神経障害性疼痛
ピリピリ電気が走るような・しびれ・ジンジンとする痛み
治療目標
第1目標 痛みに妨げられない夜間の睡眠
第2目標 安静時の痛みの消失
第3目標 体動時の痛みの消失
7月
14
2012
腰椎椎間板ヘルニアの治療法は大きく分けて4つほどあります。
1、保存的治療法
飲み薬や貼り薬、電気・牽引(リハビリ)で治す方法です。この方法で十分の方は
多いのですが、治療期間が長引く傾向にあります
2、神経ブロック療法
硬膜外ブロックや神経根ブロックなどの方法があります。症状によっていくつかあるブロック療法から選ばねばなりません。速効性は保存的治療にくらべてはるかに高いです
3、手術
従来から行われている方法に加え、低侵襲なものもなされるようになってきました。
ただし最新の手術は自費診療になるため高額になる場合があります。
手術治療は経済的・精神的負担も高く、術後の再発の可能性もあります。
7月
14
2012
背骨と背骨の間にあって、クッションの役目をするのが椎間板です。腰の椎間板が加齢による変性をおこし、その結果周囲に影響して腰痛を引き起こすのです。
長時間座っていると腰の奥のほうが痛くなってきたり、重くだるい感じがしてきたりします。また、前かがみの姿勢で痛みが増強します。しかし歩いたほうが楽になるのです。
このような場合椎間板ヘルニアが考えられるので、神経ブロックの適応となります。
7月
14
2012
腰痛は大変に頻度の多い疾患で、傷病で通院している患者さん1000人あたり男性で36.8人女性で51人に上るといわれています。
今日はその腰痛について、医師が診断するうえでどのようにあたりをつけるか、紹介しましょう。
これを知ればある程度、通院前に原因が分かるかもしれません。
○下肢痛の有無
下肢痛があるということは“腰痛の原因が神経に関与した腰痛である”ということです。これはこの先マヒがおこって、脚が動かなくなる可能性を考えなくてはならないサインです。その反対に、内臓がかかわった疾患であることが否定できるともいえます。
○安静時痛の有無
安静時にも痛みがあるということは、まず内臓疾患の可能性をまず考えねばなりません。脊椎・脊髄といった運動器の疾患で安静時痛がある場合は脊椎・脊髄腫瘍や感染性脊椎炎など早期に手を打たねばならない重篤な疾患が考えられます。
○間欠性跛行の有無
間欠性跛行とは“歩行前には症状はないかあっても軽度なものの、歩き始めると徐々に腰痛や下肢の症状が強くなって歩けなくなり、休息すれば再度歩行できる状態”のことです。この症状を呈するのは腰部脊柱管狭窄症と慢性閉塞性動脈硬化症で、前者の場合前かがみになると腰痛や下肢の症状が軽くなるという特徴を示します。
○心因性の腰痛の可能性
日常生活や仕事でつらい気持ちを引きずっていないか、お聞きする必要があります。
患者さまには出来るだけありのままをお答えいただきたいものです。
以上、簡単に述べるとこのようになります。何かお心当たりのことはありますか?
7月
14
2012
腰痛を訴える患者さまが整形外科などにかかっても、治療が難渋したり長引いたりした場合、医師より「精神的なものが関与している」と言われることがあります。いわゆる“心因性腰痛”といわれるものです。
きょうは、その“心因性腰痛”についてのお話です。
○腰痛だからといって…
腰痛というとやはり整形外科にて対応してもらおうというのが、一般的な判断になってくると思います。しかし、腰痛で整形外科に受診される方のうち、整形外科が担当する疾患である可能性は思いのほか低く、他に原因があることが多いとされています。
また慢性腰痛でリハビリ治療に取り組んでおられるかたの98%にうつ病があると言われています。このデーターは腰痛の背景にうつ病があるということばかりでなく、うつ病のひとつの症状としての腰痛があることも予想できるということです。
精神的な疾患に付随して起こってくる腰痛を“心因性腰痛”と呼びます。
○では、心のどこに…?
心因性といっても、では心のどこに原因があるのでしょうか?
それはうつ病などの精神疾患にともなって起こってくることで、原因を特定することは困難です。それゆえどのような精神疾患をわずらっていらっしゃるか、をまずは確認することが大切になってきます。
なかなか医師に打ち明けにくい面があろうかと思いますが、的確な診断のためには大切なことなのです。